メインコンテンツへスキップ

更新日: 公開日:

植物販売の確定申告ガイド|メルカリ・直販の売上はいくらから申告が必要?

確定申告副業20万円ルール経費

「趣味で育てた植物が思ったより売れた。これって確定申告が必要なの?」——メルカリやInstagram、直販で植物を売る人が増えるなかで、いちばん多い疑問がこれです。判断の分かれ目は「あなたが給与所得者かどうか」と「売上ではなく“所得”がいくらか」の2点です。

この記事では、確定申告が必要になるラインを国税庁の情報にもとづいて整理し、経費にできるもの、事業所得と雑所得の違いまでをやさしく解説します。

「売上」ではなく「所得」で判断する

最初に押さえるべき大原則は、確定申告の要否は売上(収入)ではなく「所得」で判断するということです。所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額を指します。

例えば、年間の植物の売上が30万円あっても、種苗代・用土・鉢・送料などの経費が15万円かかっていれば、所得は15万円です。以降で出てくる「20万円」などの基準は、この所得の金額と比べます。「たくさん売れた=すぐ申告が必要」ではなく、経費を引いた後の利益で考える点をまず理解してください。

そのためにも、売上と経費の記録(帳簿・レシート・取引履歴)は販売を始めた時点からつけておくことをおすすめします。記録は申告の要否判断だけでなく、後述する事業所得の認定にも関わります。

給与所得者(会社員・パート)の場合——「20万円ルール」

会社などから給与を受け取っている人が、副業として植物を売る場合、目安になるのが「20万円ルール」です。国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」によれば、給与を1か所から受けている人で、給与所得・退職所得を除く各種所得金額の合計が20万円を超える人は、確定申告が必要です。

  • 植物販売の所得(売上−経費)が年20万円を超える → 確定申告が必要
  • 年20万円以下 → 所得税の確定申告は不要(下記の住民税の注意点あり)

なお、給与の年間収入が2,000万円を超える人などは、20万円以下でも別の理由で確定申告が必要になる場合があります。

給与のない専業・主婦(主夫)の場合

会社などからの給与がなく、植物販売が主な収入という人は、20万円ルールではなく基礎控除などの各種控除を差し引いた後に課税所得が残るかで判断します。所得が控除額の範囲内におさまれば所得税はかからず申告不要となり、控除額を超える所得があれば確定申告が必要です。

基礎控除の金額は税制改正によって見直されることがあるため、具体的な金額は国税庁の最新情報で確認してください。扶養に入っている場合は、所得が一定額を超えると扶養から外れる(扶養する家族の税負担が増える)点にも注意が必要です。

経費にできるもの

植物販売にかかった費用のうち、売上を得るために直接必要だったものは経費に計上できます。代表的なものは次のとおりです。

  • 種・苗・親株などの仕入れ・種苗費
  • 用土・肥料・農薬・鉢・プランターなどの資材費
  • 梱包材(箱・緩衝材・鉢固定材)・発送の送料
  • 温室・ヒーター・照明などの設備費・電気代(販売に使う分)
  • 出品プラットフォームやオンライン決済の手数料
  • 撮影機材・スマホ(販売に使う割合分)など

自宅で育てている場合、電気代や家賃のように「生活と販売の両方に使う費用」は、販売に使った割合分だけを経費にする「家事按分」という考え方で計上します。プライベートと事業の線引きを説明できるよう、記録を残しておきましょう。

事業所得と雑所得の違い

植物販売の所得は、その規模や継続性によって「事業所得」か「雑所得」のいずれかに区分されます。この区分は税額の計算や使える特典に影響します。

  • 事業所得:継続的・反復的に、独立した事業として行っている場合。青色申告特別控除などの特典を受けられる可能性がある
  • 雑所得:副業的・一時的で、事業とまでは言えない規模の場合

国税庁の考え方では、帳簿書類の記帳・保存があるかどうかが区分の重要な判断材料とされています。きちんと帳簿をつけて保存していれば事業所得として認められやすく、記録がない場合は原則として雑所得の扱いになります。将来的に販売を本格化させたい場合は、早い段階から帳簿をつけ、開業届や青色申告承認申請の検討を始めるとよいでしょう。

税務は個々の状況で取り扱いが変わり、制度も改正されます。判断に迷う場合は、所轄の税務署や税理士に相談したうえで進めてください。

参考・一次ソース

税務・開業の関連記事