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塊根植物(コーデックス)を輸入・販売する前に|CITESと植物検疫の二重チェック
CITES植物防疫塊根植物パキポディウム輸入
塊根植物(コーデックス)は、マダガスカルや南アフリカなど海外原産の種が多く、現地球(輸入株)が高値で取引される人気ジャンルです。海外から取り寄せて販売する生産者が増える一方で、見落とされがちなのがCITES(ワシントン条約)と植物防疫(輸入検疫)の二重の手続きです。片方だけクリアしても適法に輸入・販売はできません。この記事で全体像を整理します。
塊根植物にかかる2つの規制
海外の塊根植物を日本に持ち込むときは、性質の違う2つの規制が同時にかかります。
- CITES(ワシントン条約):絶滅のおそれのある種の国際取引を規制する条約。対象種は輸出国の許可書+日本側(経済産業省)の承認等が必要
- 植物防疫法(輸入検疫):病害虫の侵入を防ぐための検疫。CITES対象かどうかに関係なく、輸入する植物は植物防疫所の検査を受ける必要がある
CITESは「その種を国際取引してよいか」、植物防疫は「その株に病害虫がついていないか」を見るもので、目的も窓口も別です。CITES非対象の塊根でも、輸入検疫(栽培地の検査証明書=Phytosanitary Certificate や、土を落とした状態での持ち込みなど)は必要になります。
属によってCITESの扱いが大きく違う
塊根植物とひとくくりにされますが、CITESの対象かどうかは属・種で大きく異なります。代表的な例として、次のような整理ができます(扱う株の学名で必ず個別に確認してください)。
- パキポディウム属(Pachypodium):全種がCITES対象。多くは附属書II、一部の種(アンボンゲンセ・バロニー・デカリー・ウィンゾリー)は附属書Iで商業取引が原則禁止
- 多肉性のユーフォルビア属(Euphorbia):多肉性の種はほぼ全種が附属書II(マダガスカル産の一部は附属書I)。ただし人工繁殖株の一部や、古くから広く栽培される種は除外扱いのものもある
- アデニウム属(Adenium)など:CITES対象ではない属・種も多い
現地球(輸入株)を扱うときの実務
塊根の輸入株を仕入れて販売するときは、注文の前に次を確認するのが安全です。
- CITES対象か:CITES種の公式チェックリストや経済産業省・税関の情報で、扱う学名が附属書に載っていないかを調べる
- 輸出国のCITES許可書が得られるか:対象種は、輸出国のCITES管理当局が発行する輸出許可書がなければそもそも適法に輸入できない
- 検疫証明(Phytosanitary Certificate)が付くか:植物防疫の輸入検査には、輸出国の検査証明書が必要な場合が多い。土付き株は基本的に持ち込めず、根の洗浄・消毒が求められることもある
- 発根管理も含めた仕立て:現地球は輸送・検疫のダメージで発根に失敗しやすい。適法に入手できても、発根管理や順化まで含めて「売れる株」に仕立てられるかを見込んでおく
無許可輸入のリスク
CITES対象種を許可書なしで輸入すると、税関で差し止め・没収されるだけでなく、処罰の対象になることもあります。「海外の通販サイトで買えたから大丈夫」とは限りません。輸出国側で許可書が発行されていない株は、日本に適法に持ち込めないと考えるべきです。検疫を通していない株を国内で販売することも、植物防疫法上の問題になり得ます。
塊根植物は魅力的なジャンルですが、輸入株を扱うほど法令リスクも大きくなります。CITESと植物防疫の両面から、扱う株ごとに一次情報で確認してから仕入れ・販売を進めましょう。