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野生植物の採取(山採り)は違法?販売前に知るべき自然公園法・種の保存法
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「自生地で見つけた珍しい植物を採ってきて売る」——いわゆる山採りは、植物界で古くから問題視されてきた行為です。結論から言うと、山採りは複数の法律に触れるおそれが高く、販売目的の採取は特にリスクが大きい行為です。この記事では、山採りに関わる主な法規制を整理します。
山採りが問題になる3つの視点
野生植物の採取は、主に次の3つの観点から問題になります。どれか一つでも該当すれば、違法になり得ます。
- 土地の所有権:他人の土地や国有地から無断で採取すれば、窃盗などにあたる
- 自然公園法:国立・国定公園の特別地域などでの採取が規制されている
- 種の保存法:国内希少野生動植物種の採取が原則禁止されている
「自然のものだから自由に採ってよい」という考えは誤りです。どこで、何を採るかによって、複数の法律が関わってきます。
自然公園法による規制
国立公園・国定公園などの区域では、自然環境を守るために採取が規制されています。環境省によると、国立・国定公園の特別地域では、自然公園法にもとづき、環境大臣が指定する植物(指定植物)を採取・損傷することが規制されています。
さらに、特別保護地区ではより厳しく、植物の採取などが原則として認められません。これらの区域で許可なく指定植物を採取すると、罰則の対象になります。「きれいな高山植物を持ち帰る」といった行為も、場所と種によっては違法になります。
種の保存法による規制
絶滅のおそれのある野生生物を守る種の保存法では、国内希少野生動植物種に指定された種は、生きている個体の捕獲・採取・殺傷・損傷が原則として禁止されています。
環境省によると、学術研究・繁殖などの目的で採取する場合は、環境大臣の許可が必要です。つまり、希少種として指定された植物を許可なく採取することはできません。販売目的での採取は、当然この許可の対象外です。
山採り株の販売は信頼も損なう
法的なリスクに加えて、山採り株の販売は、生産者としての信頼も損ないます。近年は、栽培下で殖やした株(実生・栄養繁殖)であることが、健全さの証として重視される傾向にあります。
- 自生地の個体群を減らす行為は、環境への配慮を欠くと見なされる
- 由来の不明な株は、購入者に不安を与える
- 栽培由来であることを明示できる株のほうが、信頼を得やすい
持続的に販売を続けるためにも、自分で殖やした株を扱うことが基本です。増やし方については、種苗法の観点も含めて「登録品種の増殖・販売はどこから違法?」もご覧ください。
野生植物の採取は、「自然のものだから自由」ではありません。場所と種によって複数の法律が関わり、販売目的の採取は特にリスクが大きい行為です。栽培下で殖やした株を扱うことを基本にしましょう。個別の判断は環境省・自治体にご確認ください。