メインコンテンツへスキップ
観葉植物| ✍️ ボタちょく編集部

観葉植物の取り木(高取り法)ガイド|モンステラ・フィカスを増やす方法

観葉植物の取り木(高取り法)による繁殖方法を解説。挿し木が難しい大型株の殖やし方、取り木に向いた品種、ミズゴケの巻き方から切り離しまでの手順を詳しく紹介します。観葉植物の取り木(高取り法)ガイド|モンステラ・フィカスを増やす方法 挿し木が難しい大型の観葉植物や、茎が太く硬くて挿し穂を作りにくい植物を増やしたいとき…

観葉植物の取り木(高取り法)ガイド|モンステラ・フィカスを増やす方法

この記事のポイント

観葉植物の取り木(高取り法)による繁殖方法を解説。挿し木が難しい大型株の殖やし方、取り木に向いた品種、ミズゴケの巻き方から切り離しまでの手順を詳しく紹介します。観葉植物の取り木(高取り法)ガイド|モンステラ・フィカスを増やす方法 挿し木が難しい大型の観葉植物や、茎が太く硬くて挿し穂を作りにくい植物を増やしたいとき…

関連品種

観葉植物の取り木(高取り法)ガイド|モンステラ・フィカスを増やす方法

挿し木が難しい大型の観葉植物や、茎が太く硬くて挿し穂を作りにくい植物を増やしたいとき、最も有効な方法が「取り木(高取り法)」です。取り木とは、枝や茎が植物体についたまま根を出させてから切り離す繁殖法で、切り離す前に根が出るため発根率が非常に高く、挿し木より大きな株を短期間で得られるのが特徴です。

この記事では、取り木の基本的な仕組みから、必要な道具・手順・取り木後の管理まで、実践的に解説します。

取り木とはどんな繁殖法か

取り木の仕組み

取り木(英語でAir Layering、またはMarcotting)は、植物の茎や枝の一部に傷をつけて発根を促し、根が十分に育ってから親株から切り離す繁殖法です。

なぜ茎に傷をつけると根が出るのか? 植物の茎では、葉で作られた糖分(光合成産物)が師管(しかん)を通って下方向へ移動します。茎に環状の傷(環状剥皮)をつけると、この糖分の流れが遮断され、傷口の上部に糖分や植物ホルモン(オーキシン)が蓄積します。このホルモンが発根を促進し、傷口付近から新しい根が発生します。

取り木が向いている場面

  • 茎が太くて硬く、挿し穂を作りにくい植物(フィカス・ベンジャミナ、ゴムの木など)
  • 株が大きくなりすぎて、下部の葉が少なくなった植物をリセットしたいとき
  • 挿し木より高い発根率を求めるとき
  • 大きなサイズの株を短期間で得たいとき

取り木に適した品種

特に向いている品種

フィカス類(フィカス・ベンジャミナ、ウンベラータ、エラスティカなど) ゴムの木の仲間は茎が太く挿し木より取り木が向いています。切り口からでる乳白色の樹液(ラテックス)には注意が必要ですが、発根率は高い。

モンステラ 大型になったモンステラを小分けにしたいときや、気根のある節の部分を発根させたいときに使います。茎が太いモンステラ・デリシオサには特に有効。

ドラセナ 古くなって下葉が失われ、棒状になった茎からでも取り木で再生できます。

ディフェンバキア 茎が太く長く伸びた株を更新するのに取り木が便利。

クロトン(コディアエウム) 挿し木の発根が難しい品種は取り木で高い確率が見込めます。

シェフレラカポック)・ポリシャス 茎立ちした株の再生や増殖に適しています。

必要な道具と材料

  • ミズゴケ(水苔):適度に保水でき、発根を促す最適な素材
  • ビニール袋またはラップフィルム:ミズゴケを保湿するために使用
  • 接ぎ木テープまたはビニールテープ:ミズゴケを固定するため
  • 清潔なカッターまたはナイフ
  • ルーティングホルモン(発根促進剤):省略可能だが使うと発根が早まる
  • スコップや植え替え用道具

取り木の手順

ステップ1:取り木を行う位置の選定

取り木を行う場所を決めます。理想的な位置は、葉が数枚ついた健康な茎の節の下、または成長点の下2〜5cmの部分です。

根の出やすい「節(ふし)」の部分を含むように位置を選ぶと発根しやすくなります。

ステップ2:環状剥皮(かんじょうはくひ)

茎の表皮(樹皮)を1〜2cmの幅でぐるりと一周剥ぎ取ります。これが取り木で最も重要な工程です。

手順: 1. カッターで茎の全周に浅い切れ込みを2本(間隔1〜2cm)入れる 2. 2本の切れ込みの間の表皮(緑色の外層と内層の師部)を丁寧に剥ぎ取る 3. 木部(硬い白い部分)が露出したらOK 4. 残った師部の白い内皮をきれいに取り除く(師部が残ると糖分の流れが復活してしまう)

注意: 中心の木部は傷つけないようにします。木部まで切ると植物が弱ります。

ステップ3:発根促進剤の塗布(任意)

剥皮した部分に粉末または液体タイプの発根促進剤(ルーティングパウダー)を薄く塗布します。省略しても発根しますが、使用すると発根が2〜3週間早まることがあります。

ステップ4:ミズゴケの巻き付け

事前に水を含ませて軽く絞ったミズゴケを、剥皮した部分を中心に大きく盛り付けます。

ポイント: - ミズゴケは「手でぎゅっと握ると少し水が出る程度」の湿り気が適切 - 剥皮部分が完全に隠れるよう、直径5〜10cm程度の塊になるよう盛り付ける - ミズゴケが乾きにくいよう、たっぷりと使う

ステップ5:ビニールで密封

ビニール袋またはラップフィルムでミズゴケを包み、乾燥を防ぎます。

ラップフィルムの場合: 1. 剥皮部分を中心に、上下15cm程度の範囲をラップで巻く 2. ミズゴケが外れないよう上下をビニールテープで固定する 3. ラップの上下の口は密封する(水分の蒸発を防ぐため)

ステップ6:発根を待つ

取り木後は通常の管理を続けながら発根を待ちます。発根期間は植物の種類・季節・温度によって異なります。

品種発根までの目安期間
フィカス4〜8週間
モンステラ4〜6週間
ドラセナ6〜10週間
クロトン6〜10週間

ラップの外から白い根が見えてきたら発根のサインです。根が2〜5cm程度の長さになったら切り離しの適期です。

切り離しから植え付けまで

切り離しの手順

  1. ラップを慎重に開け、根の状態を確認する
  2. 十分に発根していれば(根が5〜10本以上、長さ2〜5cm以上)、発根部分の下を清潔なハサミやノコギリで切り離す
  3. ミズゴケは取り除かずに、ついたままの状態で植え付けた方が根を傷めにくい

植え付けの手順

  1. 観葉植物用の培養土(排水性と保水性のバランスが良いもの)を用意する
  2. 鉢のサイズは根鉢より一回り大きいものを選ぶ
  3. ミズゴケをつけたまま鉢の中心に据え、周囲に新しい培養土を足して固定する
  4. たっぷり水を与える

植え付け後の管理

切り離し直後は根がまだ弱いため、直射日光を避けた明るい日陰で2〜4週間養生します。

  • 葉水を1日1〜2回行い、湿度を高く保つ
  • 水やりは表土が乾いてから行う(過湿は根腐れを招く)
  • 施肥は1ヶ月後から開始する

うまくいかない場合のトラブル対処

発根しない場合

  • 剥皮が不十分で師部が残っている → 再度剥皮して師部をきれいに取り除く
  • ミズゴケが乾いてしまっている → ラップを開けてミズゴケに水を補給し再密封
  • 気温が低すぎる(20℃以下) → 取り木は気温が高い5〜9月に行うと発根しやすい

ミズゴケがカビる

過湿やフィルムの隙間からの空気の流入でカビが発生することがあります。古いミズゴケを除去して新しいミズゴケに交換し、フィルムの密封を確認します。

切り離し後に葉がしおれる

根の量が少なすぎる段階で切り離した可能性があります。より多くの根が出るまで待ってから切り離すようにしましょう。

親株の処理

取り木で切り離した後、親株の切断面には切り口保護剤(癒合促進剤)を塗布します。その後も水やりと施肥を続ければ、切断した部分より下の茎から新しい芽が出てきます。

ボタちょくで元気な大型株を探す

取り木は株を増やすだけでなく、大型株をコンパクトにリセットする方法としても有効です。しかし、希少品種や大型の美しい株を手に入れるには、育て込まれた株を生産者から購入することも選択肢のひとつです。ボタちょくでは、丁寧に育てられた観葉植物の大株・希少品種を専門生産者から直接入手でき、取り木のやり方や品種特性についても生産者へ直接質問できます。手元の株を増やす楽しさと、新しい品種を入手する楽しさを両立させてみてください。

✍️

ボタちょく編集部

植物の栽培情報を専門に扱うボタちょく編集部。繁殖・園芸の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

編集方針について

次に読む

関連する出品を見る

この記事に関連する観葉植物の出品をボタちょくで探してみましょう。認証済み生産者から直接購入できます。

育てた観葉植物を出品しませんか

実生・株分けで増えた株や、手元で余っている株を出品できます。登録無料・出品料や月額はかからず、成約したときだけ手数料がかかります。

関連カテゴリから探す