コチョウランの二番花を咲かせるコツ|開花後の管理と技法
贈答でもらったコチョウランを翌年も咲かせたい——その願いを叶えるための二番花(リブルーム)の技術を解説。花茎の切り方・温度管理・肥料のポイントまで詳しく紹介します。もう一度咲かせたい、あの花 贈答用でいただいた豪華なコチョウラン。1〜3ヶ月ほど美しい花を咲かせた後、花が落ちてしまうとどうしたらいいか分からず、枯ら…

この記事のポイント
贈答でもらったコチョウランを翌年も咲かせたい——その願いを叶えるための二番花(リブルーム)の技術を解説。花茎の切り方・温度管理・肥料のポイントまで詳しく紹介します。もう一度咲かせたい、あの花 贈答用でいただいた豪華なコチョウラン。1〜3ヶ月ほど美しい花を咲かせた後、花が落ちてしまうとどうしたらいいか分からず、枯ら…
## もう一度咲かせたい、あの花
贈答用でいただいた豪華なコチョウラン。1〜3ヶ月ほど美しい花を咲かせた後、花が落ちてしまうとどうしたらいいか分からず、枯らしてしまう人は少なくありません。しかし、コチョウランは適切に管理すれば翌年も花を咲かせ、何年にもわたって楽しむことができる植物です。
特に、花後の管理を丁寧に行うことで「二番花(リブルーム)」を同じ花茎から咲かせることも可能です。二番花の技術は少しコツが必要ですが、成功すると1年に何度も花を楽しむことができるため、コチョウラン愛好家の間でよく話題になります。
ここでは、コチョウランの二番花を咲かせるための具体的な手順と管理のポイントを解説します。
花が終わった後の最初の判断
花がすべて落ちた花茎には、大きく分けて2つの選択肢があります。
選択肢A:根元から切って株を休ませる
花茎を根元から3〜4cm残して切り落とし、株の体力回復と次の花茎の発生を待つ方法です。
選択肢B:節を残して切り、二番花を誘発
花茎を途中の「節(ふし)」の上2〜3cmで切り、残した節から新しい花芽(側芽)を誘発する方法です。
健康な大株(葉が4枚以上、根が十分にある)なら選択肢Bが有効ですが、弱っている株や小さい株には選択肢Aをおすすめします。判断に迷う場合は、無理に二番花を狙わず株を休ませる方が長い目で見て安全です。
二番花を誘発する切り方
二番花を咲かせるための花茎のカットは、以下の手順で行います。
- 花茎の節をよく観察する(節は茎にある薄い輪のような膨らみ)
- 根元から数えて3〜4節目を選ぶ
- その節の上2〜3cmのところで切る
- 切り口に癒合剤やロウソクのロウを塗って乾燥を防ぐ
- カッターやハサミは事前にアルコール消毒しておく
切る位置が株に近すぎると次の花茎が出にくくなり、遠すぎると残した部分が枯れ込んできます。「下から3節目」が一般的なセオリーです。
二番花を咲かせる環境条件
花茎を切っただけでは、必ずしも二番花が咲くわけではありません。以下の環境条件が整って初めて、側芽が動き出します。
温度
- 適温:20〜25℃(昼)、15〜18℃(夜)
- 注意:高温(30℃以上)が続くと側芽の発生が止まる
- 特に冬:夜間の冷え込みを避け、最低15℃以上
コチョウランは温暖な環境で生き生きと成長しますが、側芽の誘発には適度な温度差が必要です。
光
- 明るい日陰〜レースカーテン越しの柔らかい光
- 直射日光は葉焼けの原因となるため避ける
- 1日あたり8〜12時間の明るさが理想
室内の北側・東側の窓辺が最も適しています。植物用LEDを補助的に使うのも効果的です。
湿度
- 40〜60%を維持
- 乾燥しすぎる冬場は葉水を朝晩
- エアコンの直風を避ける
加湿器や水を張ったトレーで周辺湿度を上げると良いでしょう。
水やりと肥料
花後の株は栄養を回復させる時期です。水やりと肥料を適切に行います。
水やり
- 水苔が完全に乾いてから1〜2日後
- 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと
- 朝か午前中に行う
- 受け皿の水は必ず捨てる
過湿は根腐れの最大の原因です。透明鉢なら、水苔の色(白っぽくなったら乾いている)と根の色(緑→白灰色が乾燥サイン)を観察しましょう。
肥料
- 液体肥料(洋蘭用)を2000倍に薄めて週1回
- 花芽が付き始めたら肥料を控える(花付きに影響)
- 冬場は肥料を完全に停止
肥料を与える時期は、新葉や新根が成長しているときが最適です。
二番花が出ない場合の原因
管理を頑張っているのに二番花が出ない場合、以下の可能性を疑いましょう。
- 温度が不適切:高すぎる・低すぎる
- 光量不足:室内奥や暗い場所
- 株の体力不足:葉が少ない・黄ばんでいる
- 肥料不足:栄養が足りていない
- 水やりのリズムが悪い:過湿または過乾燥
- 切る位置が不適切:節を切り落としてしまった
複数の要因が絡んでいることも多いので、環境全体を見直すことが大切です。
二番花を楽しんだ後のケア
二番花が終わった後は、花茎を根元から切り落とします。この時点で株は相当の体力を消耗しているので、しばらくは「株を休める時期」と考え、肥料を控えめに、水やりと環境管理を丁寧に行います。
株が数年育って大株になってきたら、株分けによって株数を増やすという選択肢も出てきます。株分けのタイミングや手順は蘭の株分け・増やし方完全ガイドで詳しく解説していますので、大株の管理に慣れてきたらぜひ参考にしてください。
翌年の本命の花のためには、この休養期間がとても大切です。焦らず、ゆっくりと株の回復を待ちましょう。
毎年花を咲かせる洋蘭との長いお付き合い
コチョウランは「一回の贈答品」ではなく、適切に管理すれば何十年にもわたって花を咲かせ続ける長命な植物です。二番花の技術を一度マスターすれば、毎年花を楽しむだけでなく、年に2〜3回の開花も可能になります。
花が終わった株を捨ててしまうのではなく、次の花への旅の始まりと捉えてみてください。小さな成功と工夫の積み重ねが、洋蘭との深い付き合いを育ててくれます。あなたの手元にあるコチョウランも、来年きっと美しい花を咲かせてくれるでしょう。